カードのデザインを見てみる【ファイナル・メモリアル・パック E1・E2・E3】

カードのデザインは、少しさじ加減を間違えるだけで瞬く間に環境の崩壊を促進させてしまう。
しかし、毒が薬になるのと同じで、適正なデザインを施されたカードは、環境をより健全なものへと変えてくれる。
また、デザインはテーマに沿ったものである必要がある。
たとえば、テック団は「相手に二者択一を迫る」というテーマを、オラクルは無色とのシナジーを、といった具合に、例を挙げるときりがない。
テーマに沿ったうえで、ゲーム的に適正なデザインをする事は、非常に難しいものである。そのため、プロであっても過ちを犯すことは度々ある。
そんな視点から、カードを見てみようと思う。


「覇道」の頂 シュラ・ベートーベン
ゼニスは心を、魂を持たない。それを表現するために用いられたシステムが、ゼロ文明である。
事実、心を手に入れたライオネルは、後に光という文明を手に入れている。
このシュラ・ベートーベンも例に漏れず、(恐らくだが)心を取り戻した後の修羅丸の姿であろう。
有色となったベートーベンをデザインするにあたって真っ先にぶつかったであろう問題は、色の問題だっただろう。
デュエルマスターズに存在する文明のうち、どれを当てはめるべきか。
だが、これはすぐに解決されたのではないだろうか。
E2期の、彼が率いていたキング・コマンド・ドラゴンを振り返ると、ヴィルヘルム、モーツァルト、VAN・ビート、フォルテッシモなど、闇・火・自然の3色に集中していることが分かる。
今回、彼がこの文明に当てはめられたのは、これらとのシナジーを形成するためと考えられる。
次に能力。マナからのドラゴン召喚、ドラゴン召喚による2マナ加速、ドラゴン全員へのSAとスレイヤー付与。
SAとスレイヤー付与は、フォルテッシモが想起させられる。また、マナからの召喚はカンタービレを想起するだろう。
いずれも、変形デッキのオサム側に収録されていたカードであり、狙ってデザインされた可能性は高い。
また、マナから連続して召喚した際の息切れを防ぐため、あるいは元のベートーベンを意識したデザインとするため、召喚時ボーナスが付与されたものと思われる。
デザインとしては、元のベートーベンおよびキング・コマンド・ドラゴンのテーマに合わせた、非常に綺麗なデザインだと感じた。

大終結!アクアブラザーズ
ハンター期のリキッド・ピープルは、軽量クリーチャーを横並びさせ、それらにバウンスや回避能力をつけることで攻撃するトリッキーさを誇っていた。
これも例に漏れず、横並びさせるほど手札を補充させ、その展開を手助けするデザインとなっている。
特筆すべきは、大型さえも踏み倒せるデザインだろう。手札7枚以上と条件は厳しいが、長期戦になった途端、増えた手札から大型を叩きつけて逆転が狙える。
既存のリキッド・ピープルの部族デッキに難なく入り、今まで以上に強烈なサポートを与える事が出来るだろう。
ただし、カードを引けるのはタップされているリキッド・ピープルの数であるので、攻撃しながら展開するという従来の流れを汲み取らなければならない。
それに対して、踏み倒し能力がかみ合うかどうかは、いささか疑問ではある。
もう少し欲を言うなら、リキッド・ピープルがアタックしたタイミングか、シールドをブレイクしたタイミングでドローできた方が、デザインとしてはより良かったように感じる。

勝利のレジェンド ガイアール
元となったガイアール・オウドラゴンの全体火力を、少し小型にして内蔵したデザイン。
特筆すべきは、このクリーチャーに破壊された相手クリーチャーの数だけ、ドラゴンの踏み倒しが狙える点だろう。
相手が大量展開してきた場合、一気に逆転を狙うことが出来る。
踏み倒しという点では、元々のガイアール・カイザーがシールドを捨てることで踏み倒す能力があるため、それを継承した可能性がある。
もしかすると、デザイン途中では、破壊したクリーチャーのコストを参照していたかもしれない。
しかし、火は確定的な踏み倒しでは無く、不確定な踏み倒しを行う文明である。そのため、今のデザインに落ち着いたのだろう。
また、ハンターであるため刃鬼で踏み倒すことが可能だが、その場合、攻撃した瞬間に盤面を焼き払われてしまう。
恐らくだが、9000という数値は、鬼丸「覇」を基準に考えられているのかもしれない。

ボーイズ・トゥ・メン
ガールズ・ジャーニーを髣髴とさせる色合いの呪文。
効果は、自然文明からマナ加速、光文明からクリーチャーのタップ、水文明から1枚ドロー。
いずれも基本的な効果であるが、全てが1枚にまとまると、非常に優秀な呪文である。
このネーミング・イラストでこの効果になった経緯はよく分からないが、「ありそうで無かったカード」を実現した一枚かと思われる。

「獅星」の頂 ザ・ライオネル
心を得たことにより、光文明を得たライオネル。
能力は、召喚時の3枚の手札補充と同枚数のシールド補充、最初にブレイクされる光のシールド全てへのST付与、ブロッカー。
元となったライオネルからブロッカーとトリガー化を継承し、「獅子」の頂からシールド補充を継承している。
光文明らしく、シールド補充に付随した手札補充が付いてくる。より狙ったカードをシールドに埋め込めるデザインである。
ただし、「俺」の頂より狙ってカードを埋め込めるため、自発的にトリガーを使えないようにしている。
かつ、全ての光のカードをトリガー化すると獅子超龍ライオネルとコスト帯・役割が被ってしまうため、トリガー化する枚数に制限を設けている。
この手の大型クリーチャーのボーナス効果は、既存のカードたちと役割を被らせない調整が年々難しくなる。
派手な効果を設定しなければならないと同時に、既存のカードの役割を奪ってはならないからだ。
最後のトリガー化の条件に、数々の調整があったように思う。実際の開発秘話を聞いてみたいものだ。

自由の拳 カツドン・ヤング
若き頃のカツドン。
若い頃のためか、元となったカツドンより1コスト低く、パワーも低くなり、アンタップキラーも消えている。
代わりに、踏み倒せる先に関しては自由度が格段に高くなっている。
元々はドロン・ゴーとシナジーするデザインであったが、こちらはそれ以外とのシナジーを形成し、DSブロックとの組み合わせも可能にしている。
墓地をテーマにしたアウトレイジの中でも、エグザイルは破壊されたとき、自身の他形態を踏み倒すデザインであった。
若き頃をデザインするにあたって、この踏み倒し先を多様化する事で、将来の多様性を表現したのかもしれない。
ストーリー通りにいくのであれば、カツキングを踏み倒すべきかもしれない。しかし、今はDS世界。ドラゴンになるのも悪く無いだろう。
そういった意図があっての、踏み倒し先のドラゴンなのかもしれない。


デュエルマスターズでは、カードのデザインに関して、そこに至った経緯が語られる事はほとんど無い。
ドギラゴン剣が、なぜあのデザインになったのか?ボルバルザークはどうやってデザインされたのか?
プレイヤー視点では調整ミスではないかと囁かれるカードにも、何かデザインの中で紆余曲折があったに違いない。
その経緯をしる事が出来れば、また新しい世界が見えてくるかもしれないのだ。
公式から、何かが語られる日が来ることを期待したい。
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